海兵隊の那覇での事件事故6件 コロナ立ち入り禁止中 「何を守るため沖縄に?」


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 【東京】警察庁は6日の衆院安全保障委員会で、米海兵隊が新型コロナウイルス対策として昨年8月21日から12月16日に実施した、那覇市内への立ち入り禁止措置の期間中、海兵隊員による同市内での事件事故が刑法犯1件、道路交通法違反5件の計6件あったことを明らかにした。海兵隊が自ら設けた措置に反した可能性がある。茂木敏充外相は事件事故はあってはならないとしつつ「これをもって事件事故が多発しているかどうか、これについては、さまざまな評価があると思う」との認識を示した。

 沖縄国際大の前泊博盛教授(安全保障論)は「武器を使用する米兵はモラル的にもしっかりしないといけない。軽微な事件・事故でも許されないとの認識が希薄だ」と指摘した。

 衆院安全保障委で赤嶺政賢氏(共産)は、米軍キャンプ・コートニー所属の海兵隊員による強制わいせつ事件が1月31日に那覇市内で起きたことを取り上げ、2020年度の米軍関係者による事件事故の実態について質疑した。

 階級によって違いがあるものの、米軍は午前1時から5時の外出を禁じている。警察庁は同時間帯の米軍関係者による事件事故が昨年4月1日から今年3月31日までの1年間で27件(うち刑法犯10件、道路交通法違反17件)あったと明らかにした。飲酒しての事件事故は20年度に41件(うち交通人身事故2件、道路交通法違反39件)あったとした。

 赤嶺氏は「違反が常態化している。原因を日米間でしっかり検証し、実効的な再発防止策を県民に示すべきだ」として「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキングチーム(CWT)」の開催を求めた。茂木氏は那覇市内への立ち入り禁止措置期間中に起きた事件事故数について「さまざまな評価があると思う」と述べた上で、CWTの開催に向け調整しているとした。

 茂木氏の発言に対し前泊氏は「米兵の犯罪は警察官の犯罪と同じくらい重要視されていい。基本的に米軍の事件事故はゼロでなければいけない。米軍はそもそも何を守るために沖縄にいるのか、安全保障の本質が問われる」と批判した。