宮古島弾薬庫の市民説明会「予定せず」と防衛局 市長は視察へ


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建設が進む保良弾薬庫=1日午後、宮古島市城辺保良

 【宮古島】宮古島市城辺保良で整備が進む陸上自衛隊「保良訓練場」の弾薬庫工事が一部完了したことを巡り、沖縄防衛局は5日、座喜味一幸市長が求めた市民への説明会開催について、本紙の取材に対し「現段階で予定していない」と回答した。座喜味市長は7日に現地を視察するとし「防衛局には引き続き、地域の理解を得る努力を求めたい」と話した。

 防衛局は訓練場敷地内に完成した弾薬庫2棟の使用について「今後、所用の準備調整が整った段階で誘導弾、弾薬を保管する」と開始時期は明言しなかった。陸上自衛隊宮古駐屯地は1日から同訓練場の警備を始めている。

 視察について座喜味市長は「全体像も見えない状況なのでまずは現地で説明を受けたい」とした。その上で「施設内で事故が起きた際に、地域にどのような影響が起こり得るか。緊急時の安全シミュレーションと結果報告を求めるつもりだ」と語った。

 防衛局は3月31日に工事の一部完了を座喜味市長に報告した。座喜味市長は市民への説明会開催と現地視察を求めていた。

 保良弾薬庫は、市上野野原の陸上自衛隊宮古駐屯地に配備されている地対艦・地対空ミサイル部隊の弾薬を保管する目的で、2019年から建設が始まった。敷地内に弾薬庫3棟を建設予定で、残る1棟の着工時期は未定。

 弾薬を巡っては19年4月に、防衛省が「設置しない」としていた宮古駐屯地内にミサイル弾薬などを保管していたことが判明した。住民の激しい反発を受け、同省は保良弾薬庫が完成するまで地対艦・地対空ミサイルは島内で扱わないと表明している。