「プロになるため」宮城のバスケ強豪校へ 低評価から3年、日本一の立役者に 山内ジャヘル流人<決意の春>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
関東1部リーグの大東文化大に進学する山内ジャヘル琉人=3月、那覇空港

 バスケットボール男子の強豪、宮城県の仙台大明成。全国から実力者が集まる。那覇中を卒業した山内ジャヘル琉人(18)は3年前、単身でその門をたたいた。当時は県内でも無名。ハングリー精神で必死に練習についていき、主力の座をつかんだ。高校最後の年は夏のインターハイなど力を試す機会は減ったが、開催が実現した昨年末のウインターカップでは3年ぶりの優勝の立役者に。プロを目指す決意を新たにし、関東大学1部リーグの大東文化大に進学を決めた。全国制覇を弾みに今度は学生リーグのステージに挑む。

 中学まで決して目立つ存在ではなかった。泊小では県大会16強止まり。中学でも1回戦負けが常で、選抜経験もなかった。それでも「プロになるためには」と全国強豪校に飛び込むことを決意した。

 ただ全国から有望選手が集まるチーム。入るのも簡単ではなかった。中学3年の11月に練習に参加。レベルの高さを見せつけられた。通用しないとの厳しい評価も言外に受けたが「今は負けていても追い越してやる」と逆に火が付いた。

 経験値もなければ基礎的動きもまだまだ。ボールのもらい方、パスの出し方、一つ一つの基本がミスをしないために必要ということを学び、習得していった。

 ひたすらに練習に没頭。勝負できていたシュート力を武器にアピールし、ガードで試合に出る機会を得ると、そこから主力へと上り詰める。ウインターカップでは県勢として津山尚大(アルバルク東京)以来となる大会ベスト5に選出される活躍ぶりだった。「3年間、苦しいことだらけ。楽しい覚えはない」。厳しい道のりだったが「でも、わくわくだらけだった」と今では笑って振り返る。

 「世界で戦えるプレーヤーになりたい」。将来の目標は明確だ。学生リーグでも結果を残し、海外も視野に高みを目指す。
 (謝花史哲)