病床占有率は96.3% コロナ増加、県の想定超える速さ 飲食から家族に


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 県が7日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者は155人で、通常検査での1日の発表数としては最多となった。玉城デニー知事は先月19日の記者会見で「4月15日ごろには1週間に700人以上の新規感染者が出る」との試算を挙げたが、その試算よりも速いペースで増加している。若い世代が飲食で感染拡大する段階から、飲食での感染者が家族内で感染を広げる段階に移っているという。

 県の糸数公医療技監兼保健衛生統括監は「これまでに感染した人が二次感染、三次感染で拡大している。ただ、感染経路を追えない人も増えてきており、さらに市中感染に広がらないか懸念している」と述べた。

 県によると7日の新規感染者の、年代別の内訳は20代が30人、50代が25人、30代が23人、10代と40代が22人、60代が10人、10歳未満が11人、70代と80代が3人、90代が1人、確認中が3人。新規感染者155人のうち、54人は接触感染とみられる。家庭内21人、職場が13人、友人・知人が10人、飲食が6人、施設内が4人。残り101人の感染経路は現時点で判明していない。

 病床占有率は96・3%に高まり、100%に近づいている。県は3日に沖縄本島の「医療フェーズ」を最大の5に引き上げた。408床のコロナ患者用の病床確保を急ぐが、病床を空けるため、すでに入っている患者の退院や転院先が見つからない状況だという。

 直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は45・79人で全国2位。1人の感染者が平均何人にうつすかを示す指標「実効再生産数」が前週より大きく低下する傾向にあることなどから、今週末から来週にかけて減少に向かうとの見通しは維持した。