重度知的障がいのある仲村伊織さん(18)が7日、真和志高校「ゆい教室」に入学した。仲村さんは普通高校への進学を希望したが、3年連続で不合格を経験した。4度目の挑戦となった3月の高校入試で合格となり、念願の高校生活をスタートさせた。
新型コロナウイルス対策で入学式は、入場や祝辞などを省き、出席者を新入生と保護者1人に制限して実施した。式が終わると各教室に移動し、ホームルームを開いた。
仲村さんは担任の國吉真平教諭らと一緒に、連携学級となる1年6組を訪れた。國吉教諭は「いろいろなことがあると思うが、仲良くしてほしい」とあいさつした。仲村さんは通常は校内に設置したゆい教室で授業を受ける。音楽、美術、体育など週14時間はゆい教室以外で、他の生徒と一緒に授業を受ける。ホームルームや総合的な探求の時間は連携学級で過ごす。
1年6組であいさつをした後、仲村さんはゆい教室に移動した。初めてゆい教室に入った仲村さんは、落ち着かない様子で周囲を見渡した。椅子に座ったがすぐに立ち上がり、教室の入り口にある長テーブルに座って担任の話を聞いていた。
父親の晃さん(54)は「感謝しかない。いろいろな人の応援でここに来ることができた。3年間、時計の針が止まった状態だったがやっと動き出した」と実感を込めた。「青春をしてほしい。いろいろな人の力を借りながら、実りある学校生活を送ってほしい」と願った。
県教委は中重度の知的障がいのある生徒を対象に、ゆい教室を本年度から設置した。生徒の学籍は島尻特別支援学校だが、真和志高校に通って授業を受ける。