独居高齢者支え21年 名護市久志区 「いがしま会」活動に幕


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
長年久志区のお年寄りを見守ってきた「いがしま会」の皆さん=3月25日、名護市久志公民館ホール

 【名護】21年間にわたって地域の一人暮らしの高齢者を支えてきた名護市久志区の「いがしま会」の活動に終止符が打たれることになり、その「お疲れさん会」が3月25日、同公民館ホールで催された。昼食会を兼ねた会には会員や日頃の利用者ら約40人が参加した。

 「いがしま」とは「わが島」の意。区内の90歳以上の一人暮らしの高齢者を区民で見守ろうと、2000年4月1日に結成。結成に先立ち、区独自のホームヘルパー(3級)養成研修を行い、有資格者による本格的な介護も念頭に20人の会員でスタートした。

 月2回のミニデイ活動を主体に昼食会や安否確認を兼ねた弁当の宅配などを行ってきた。現在の会員は12人。21人のお年寄り(80歳以上)が利用している。これまで活動を支えてきた会員も前期、後期高齢者の年齢に達し、会の運営が難しくなってきたため、活動を修了し、今後は公民館活動の一環として継承される。

 初代会長の保良逸子さん(66)は「区民自らヘルパー資格を取得しての斬新的な取り組みが、厚労省の広報誌にも取り上げられた」と21年間の活動を振り返った。2代目で現会長の徳本いく子さん(72)さんは「会としての活動は終了するが解散式ではない。今後も区や若い人たちをサポートしてみんなとつながっていきたい」とあいさつした。

 山梨県出身で奥さんを亡くした後、娘の嫁ぎ先の久志区へ4年前に越してきた杉田則尚さん(80)は「会の利用年齢に達していなかった自分を温かく迎え入れていただき、今も楽しく過ごさせてもらっている」と感謝した。

 利用者最高齢の福地トミさん(100)には、名護市社協から「名護市ミニデイミニボウリング大会」の最優秀殊勲選手賞が授与された。最後に長年の感謝を込め、利用者から会員へ記念品が贈られた。 (嶺井政康通信員)