抑え込みへ「我慢」 まん延防止12日から 県民生活制限続く


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 新型コロナウイルスの新規感染者が3日連続で100人台となるなど、急激に感染が拡大する沖縄で12日からまん延防止等重点措置が適用されることが決まった。期間は5月の大型連休最終日までの予定で、県内での東京2020オリンピック聖火リレーの時期とも重なり、影響は多方面に及ぶ。

 繰り返される対策で県民生活は制限が続くが、多くの人々は「我慢して抑え込みを期待したい」と受け入れる。

 9日午後5時、那覇市の国際通りは仕事を終えた人や観光客が行き交った。専門学校の入学式を終え、友人と帰宅途中だった通事花蘭さん(18)=浦添市=は「国や県の要請を受け入れて家にこもる。学校はリモート授業もあるので、新しい友達と直接会えないのが残念」と話した。

 国際通りから少し入った居酒屋「島ノ飯みなもと」の古波蔵源さん(30)=那覇市=は従業員と仕込みをしていたが、9日も来客が見込めないとみて、閉めることにした。5月の連休中は昼の営業に切り替え「近隣の住民にも元気を与えたい」と気を取り直す。那覇市牧志の居酒屋「酔処たまりば」の松本正和さん(55)=豊見城市=は開店準備をしつつ、客を待った。さらなる営業時間短縮も予想されるが「こんな時こそ試行錯誤して店を回す方法を考えたい」と自らを奮い立たせた。

 那覇市のパレットくもじ前で友人を待っていた30代の会社員男性は、コロナ禍で飲み会など交流の場が減り「発散する場がなくなった」とこぼす。「これまでも時短営業や外出自粛などを守ってきた。我慢して、今度こそ感染の収束に期待したい」と強調した。

 新学年が始まったばかりの琉球大生の大城秋桜さん(21)は、重点措置の適用に、混乱の中でオンライン授業に切り替わった昨年を思い出した。「一方的に知識を入れられているようで、学んでいる実感が少ない。オンラインには戻りたくない」と漏らした。