具志川商が興南に快勝 粟國が攻守で存在感 県高校野球チャレンジマッチ


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 県高校野球選手権沖縄大会のシードを懸けたチャレンジマッチと第68回県春季大会の3位決定戦が10日、アグレスタジアム北谷で行われた。チャレンジマッチは21世紀枠で選抜大会に初出場した具志川商が春の王者、興南に7―3で勝利。3位決定戦は美里工が沖縄工に5―1で快勝した。

 夏のシード権は第1から具志川商、興南、沖縄尚学、美里工の順に決定した。具志川商と興南は九州地区大会(24~30日、大分県)への出場が決まっている。春季準優勝の沖縄尚学が派遣予定だった八重山交流試合と、3位の美里工が出場予定だった宮古島交流試合は新型コロナウイルスの影響で中止となった。


具商・粟國 攻守で存在感

具志川商業―興南 3回表1死満塁、適時三塁打を放つ具志川商の粟國陸斗=10日、北谷町のアグレスタジアム北谷(喜瀬守昭撮影)

 ビッグチャンスは突如やってきた。具志川商は三回、四死球やバントヒットで1死満塁。3番・粟國陸斗のインパクトの瞬間、一走の島袋大地、二走の大城勢武太がスタートを切る。甲高い金属音と打球の行方で、島袋は「確実に(外野手の頭を)越えると思った」。

 粟國の右越え適時打は、走者一掃の先制三塁打となった。持ち前の攻めの走塁、選抜大会を経験し、研ぎ澄まされた好機での集中力を発揮。粟國は「甲子園で打てず、フォームを変えて振り切った」と三塁塁上でガッツポーズを決めた。

 守備でも好返球を見せた。六回2死一、二塁。左中間を破られるが、中堅、遊撃、本塁と素早くつなぐ完璧な返球で一走の生還を阻止。最少1失点でピンチを乗り切った。遊撃の粟國は「選抜の福大大濠との試合で、全く同じような状況があった」と大舞台での好守の再現となった。堅実なプレーの端々に甲子園で成長した様子をうかがわせた。

 粟國は「毎打席、興奮する甲子園での経験を誰にも譲りたくない。まずは九州大会優勝で、県大会につなげていく」と九州の頂を見据える。

 (上江洲真梨子)


初先発田崎 3回無失点

 具志川商の田崎陽誠が公式戦初先発ながら、落ち着いた投球を見せた。選抜前から調子は右肩上がり。今回の登板は、甲子園の前には言い渡されていたという。「他の投手も控えていると言われ、堂々と投げられた」と、3回無失点の期待に応える内容だった。

 選抜の2回戦で打者4人と対戦。「走者を背負った場面で気持ちのコントロールが難しかった」が、この日はランナーを出しても慌てることなくアウトを重ねた。喜舎場監督は「田崎の成長は夏へ向けて大きな収穫」と喜んだ。