普天間の返還合意から25年 玉城知事と松川宜野湾市長がコメント(要旨)


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 1996年の米軍普天間飛行場の全面返還合意から25年が経過したことを受け、玉城デニー知事は12日、コメントを発表した。要旨は次の通り。

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玉城デニー知事

 普天間飛行場は市街地の中心部に位置し、住民生活に著しい影響を与えていることから、周辺住民の航空機事故への不安や騒音被害などを解消することは喫緊の課題であり、県民の強い願いだ。

 一方、今も普天間飛行場の返還は実現せず、同飛行場所属機による事故は後を絶たない。近年は外来機の飛来の増加などにより、同飛行場で航空機の離着陸回数が増え、周辺住民は大きな負担を強いられている。

 普天間飛行場の危険性除去が喫緊の課題であることは国・県・市の共通の認識であり、今後も宜野湾市と連携し、目に見える形で負担軽減が実現されるよう取り組んでいく。

 辺野古新基地建設は提供手続の完了までに要する期間が約12年、総工費が約9300億円とされ、辺野古移設は普天間飛行場の一日も早い危険性の除去にはつながらないということが明確だ。普天間飛行場の速やかな運用停止を含む一日も早い危険性の除去や早期閉鎖・返還を実現するため、県との真摯(しんし)な対話に応じていただくよう、日米両政府に対し粘り強く求めていきたい。

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松川正則宜野湾市長

【宜野湾】松川正則宜野湾市長は「固定化は絶対にあってはならない」と訴えるコメントを同日、市ホームページに掲載した。

 松川市長は、日米両政府と県に対し「命に直結する問題が解決されないまま四半世紀を費やした事実と、基地被害に苦しむ市民の声を真摯(しんし)に受け止め、あらゆる方策を講じ一日も早い閉鎖・返還、危険性除去と負担軽減を実現するよう強く求める」と述べた。

 米軍機の墜落や落下物事故などの危険性に加え、昨年は泡消火剤の流出事故があったとして「市民は、過重な負担からいつ開放されるのかという、先の見通しが見えない不安も同時に抱えている」と強調した。

 松川市長は記者会見する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会見は昨年に続いて中止となった。