【詳報】うるま市の課題、解決策は?目指す街作りとは?<うるま青年会議所討論会・上>


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うるま市役所

 【うるま】18日告示、25日投開票のうるま市長選に向け、うるま青年会議所は11日、新人で前市議の中村正人氏(56)と、新人で沖縄国際大名誉教授の照屋寛之氏(68)を招いた討論会を、市石川のFMうるまで開催した。両氏は経済振興や雇用問題、教育・子育て支援などの主要政策について力強く訴えた。同討論会はFMうるまのラジオ放送などで生配信された。


<課題と解決策>

県内40位の所得を改善 照屋氏
市の発展へ道路を整備 中村氏

 

 Q:うるま市の抱えている課題と解決策について。

 

 照屋 うるま市のスケールメリットは無限の可能性があるが、それが生かされていない。地域の特色を生かした街づくりが求められる。合併による財政力強化も期待されていたが、1人当たりの市民所得は県内で40位、失業率は11市で1番高い。コロナ禍で所得と失業率はさらに悪化している可能性がある。農畜産や漁業の発展、特産物のブランド力向上を図る。企業を誘致し、公共事業の地元企業への発注を進める。

 中村 市民の命と暮らしを守ることを最優先に取り組む。医療機関までの距離があるため救急搬送時に時間がかかる、島しょ地域の問題がある。移動の時間の短縮が重要になる。高規格道路の延伸は有効で、命をつなぐ道路になる。そのほか渋滞緩和、生活道路、防災道路、産業道路など発展のためになくてはならない。多くの行政改革も進めたい。発達障がいの子どものためにケアステーションの設立も行う。


<目指す街づくり>

仕事と子育て両立環境に 中村氏
若者と女性の雇用を充実 照屋氏

 

 Q:うるま市をどのような街にしたいか。

 

 中村 仕事と子育てが両立できる街にしたい。働く場を確保するため企業誘致を促進し、仲嶺地区の開発で雇用の受け皿を拡充する。企業と労働者のミスマッチ解消、キャリア教育にも取り組む。

 子育て環境については、保育所の整備をさらに進め定員増を図る。2024年度には待機児童をゼロにし、仕事と子育てが両立できる環境をつくる。保育士の処遇も改善する。

 照屋 若者や子育て世代は市の大事な人材だ。若者や女性が安心して働ける街にしたい。そのためにも正規雇用の拡充支援を図り、起業をサポートする。貧困の連鎖が起こらないよう積極的に支援することも行政の役割だ。

 学校給食費の段階的無償化、高校卒業までの子ども医療費の無償化、返済不要の給付型奨学金制度創設を実施する。保育所整備で待機児童の解消を図る。


<略歴>

中村 正人氏

 なかむら・まさと 1965年3月生まれ。市田場出身。日本文理大卒。98年に旧具志川市議選で初当選し、6期22年務めた。

照屋 寛之氏

 てるや・ひろゆき 1952年10月生まれ。市前原出身。日本大大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。行政学、政治学専門。