米軍機情報すぐ共有 ツイッター#OHアラート 「今飛んでる 気を付けて」


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 「オスプレイが昨日に続いて今日も中城湾旋回している様子」。米軍機の飛行状況について、短文投稿サイト「ツイッター」で共有し、注意喚起をする取り組みが広がっている。ツイッター上で目印となるハッシュタグ「#OHアラート」の文言を張り付け、昼夜を問わず飛行する在沖米軍機の情報などが随時投稿される。発案者によると、2018年2月ごろに始まり、匿名、実名を問わず投稿に加わっている。

「OHアラート」の発起人男性のツイート。公表された航空情報(ノータム)を表示して、普天間飛行場の運用を注意喚起している(短文投稿サイト「ツイッター」より)

 発起人「注意喚起」、広がる輪

 米軍普天間飛行場の日米返還合意から12日で25年。発案者の男性が琉球新報の取材に応じた。男性によると、2017年12月、ともに宜野湾市にある緑ヶ丘保育園の部品落下、普天間第二小の窓枠落下の2件の事故がきっかけだった。それまでは、普天間飛行場周辺での米軍機飛行を気にすることはなかったという。

 男性は「(子どもたちが危険にさらされる)二つの事故が起きた後も、変わらずに米軍機は飛び続けている。どうすることもできない無力感にさいなまれた」と当時の心境を振り返った。知人らとその話題を重ね、やがてツイッターへの投稿につながった。「米軍機が今飛んでるから気を付けて」。飛行情報の発信をリアルタイムで始めた。

 機種や目撃時刻、場所などの情報のほか、画像や動画も投稿される。アプリを活用して、飛行経路の情報も共有されている。開始当初は数人だったが、次第に「#OHアラート」の文言を付けて投稿する賛同者も増えた。県内からは普天間飛行場だけでなく嘉手納基地などの情報も寄せられる。今年3月10日の1日だけでも、65のアカウントが投稿した。

 賛同した50代男性は那覇市から浦添市へ転居した後、普天間飛行場を離着陸する米軍機を目にする機会が増え、写真や動画を付けて投稿している。「米軍機の騒音と生活音との違いを知らせたい」と語った。

 取り組みは県外にも広がる。鹿児島県奄美大島の40代男性は、奄美でも相次ぐ在沖米軍機の低空飛行の様子を投稿する。「危険にさらされている島々として、連帯していきたい」と話した。

 「OHアラート」の投稿から3年以上がたつが、普天間飛行場周辺を米軍機が飛び交う状況は変わらない。発案者の男性は「(米軍機の存在を)意識するきっかけになってほしい」と情報発信を続ける。

(塚崎昇平)