「観光の予算があまりにも少ない」まん延防止措置、観光客減…業者が窮状を訴え


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沖縄ツーリズム産業団体協議会の意見交換会で、窮状を訴える出席者ら=13日、那覇市の沖縄産業支援センター

 「まん延防止等重点措置」の適用地域に沖縄県が追加されたことを受け、13日に急きょ開催された沖縄ツーリズム産業団体協議会の意見交換会では、観光業界を巡る厳しい現状が示された。出席した観光関係者から、県に強力な支援や経済対策を求める声が相次いだ。

 「観光に対しての予算があまりにも少ない。県は観光を本当に基幹産業と思っているのか」―。県レンタカー協会の白石武博会長は、観光を沖縄県のリーディング産業と位置付けながら、行政の観光施策や予算の裏付けが弱いことへの不満をぶつけた。コロナ禍の長期化を巡り、白石会長は「大きな企業ほどダメージが大きい。需要喚起策も大事だが、直接給付をしてほしい」と訴え、企業規模に応じた観光事業者への支援を求めた。

 県ホテル協会の坂本公敏副会長は水際対策として、旅行者が出発地でPCR検査を受けてから沖縄を訪れる仕組みを構築する必要性に言及。「コロナの陰性証明を持参した人に、ホテルなどで使える県のクーポンを発行すれば、旅行前に検査を受ける人が増えるのではないか」と提案した。

 県文化観光スポーツ部の宮城嗣吉部長は「出発地側での検査を推奨するインセンティブを与えられるような施策を実現できるか、検討したい」と話した。

 キャンセルが出始めている修学旅行を巡り、県バス協会の小川吾吉会長は「受け身ではなく、予定している学校や教育委員会にアプローチして、中止ではなく延期を求めてほしい」と行政の対応を求めた。

 沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は、修学旅行を取り扱う旅行社と週内に意見交換を予定しているとして、「学校の関係者に、オンラインでこちらの状況をしっかり伝えたい」と話した。

 那覇空港ビルディングの安里昌利社長は、ワクチン接種について「全国一律ではなく、感染が拡大している沖縄に優先的に接種できるよう国に働き掛けてほしい」と県に求めた。