「ロードのプロ選手になる」欧州レース挑戦を目標に日体大へ 玉城翔太<決意の春>


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ロードレースのプロを目指す決意を明確に大学での挑戦を始める玉城翔太=3月23日、宜野湾市

 自転車競技の玉城翔太(19)は4月から日本体育大へ進み、実力に磨きを掛ける。北中城高で数々の輝かしい記録を残してきた。ラストスパートのダッシュ力が大きな強みだ。将来は欧州レースに挑戦するという明確な目標を掲げ「ロードのプロ選手になる」と力強く宣言する。

 成長を大きく実感したのは高校2年の2019年夏、地元開催の南部九州総体だった。スクラッチに出場し、優勝候補を押しのけ予選1位で決勝へ。「攻めて自分なりのレース展開ができた」と自信をつけた。以前は「練習で調子良く、足が仕上がっていても本番で(気持ちが)ぴりぴりする癖があった」と全力を発揮できずにいた。「気軽にいこうと考え方を切り替えた。すると周りが見えて冷静になれた」と新境地にたどり着いた。

 2年生の10月の新人大会は、全種目制覇の10冠を達成。「みんなからすごいねと言われたが、日本一を目指していたので当たり前だと思っていた」と言う。

 ただ、続く20年3月の全国選抜大会が中止に。「体も仕上がっていて勝つ気満々だった。練習をやる気をなくし、気持ちがつぶれていた」と落胆が大きかった。しかし「大学でも競技を続ける。いつかは大会があるから」と気持ちを切り替えて前を向いた。

 20年9月、高3の全国総体代替大会でスクラッチ6位入賞と結果を残した。

 日体大4年には北中城高の先輩の平安山良希がいる。18年の福井国体で大学1年だった平安山はプロと争い、スクラッチで優勝。ポイントレースでも頂点に立った。

 玉城の記憶にはその姿が鮮烈に残っている。先輩の背中を追いつつ、同じ環境に身を置く。プロを目標に「体力をつけ、出場経験を重ねてレース展開を学んでいきたい」と確固たる決意で日々ペダルをこぐ。
 (大城三太)