「出勤者7割減らして」目標達成した企業はわずか8.9% 県独自の緊急事態宣言中


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 海邦総研(新崎勝彦社長)は14日、1月20日~2月末までの、県独自の「緊急事態宣言」に関し、県内企業の対応や影響などの調査結果を発表した。県が目指していた「出勤者7割減」について、達成した企業は全体の8・9%にとどまり、54・4%の企業は「出勤者減には対応していない」と回答した。県の目標と、県内企業の実態がかけ離れていたことが明らかとなった。

 調査は3月に実施し、436社から回答を得た。業種別に出勤者7割減を達成した企業の割合を見ると、飲食サービス業は28・6%、旅行・宿泊業が21・1%、情報通信業が16・7%となり、比較的高い値を示した。飲食サービス業、旅行・宿泊業はコロナ禍で大きく影響を受けた業種のため、海邦総研は「業況低迷で社員を休業させた結果として、7割削減を達成した企業が多かったと推察される」と分析した。

 感染症が県内で初確認された昨年2月以降の1年間に取った対応について、「資金調達」の50・2%が最も多く、「社員の勤務時間削減・休業」が46・3%、「営業時間の短縮」が30・5%と続いた。業種別でみると、製造業の11・6%、旅行・宿泊業の15・8%が「パート・アルバイトなど非正規雇用者の解雇・契約終了」と回答し、他業種に比べて比率が大きかった。

 テレワークの対応については「検討していない・予定もない」と回答した企業が63・5%と6割超を占め、導入が進んでいない状況が浮き彫りとなった。導入を検討・予定していない企業に複数回答で課題を聞いたところ、「テレワークで対応できる仕事が少ない」が37・5%で最も多く、「従業員の自宅のインターネット環境に違いがある」「必要な機器がそろっていない」がともに25・0%だった。

 一方、コロナ以前から導入している企業は6・4%、コロナ拡大以後に導入した企業は19・5%で、合計25・9%がテレワークを導入している。業種別では情報通信業の88・9%が導入していると回答した。