【識者談話】辺野古工事、入札の在り方見直しを 妥当性に疑義 有川博氏


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有川博氏

 「総合評価落札方式」で入札が行われた、同種の連続した工事で1回目と2回目で加算点がこれほど変動する理由が分からない。1回目の入札では、価格の差異はほとんどなく、加算点が受注の成否を分けたといっていい。

 2回目の加算点だと1回目では落札できないことは明白で、そもそも1回目の審査の仕方が妥当だったのかを検証する必要がある。

 発注者である沖縄防衛局が審査の過程を説明できないとなると、1回目の入札の妥当性に重大な疑義が生じることになる。

 問題となっている名護市辺野古での埋め立て工事を巡っては、契約変更を繰り返して工費が当初額の1・6倍に膨れ上がった経緯もある。全体の見通しが示されないままに工事を発注したために、さまざまな問題が出てきていると思えてならない。工費が増大した原因も含め、いま一度、工事全体の在り方を見直すべきではないか。

 (元会計検査院第四局長・日本大学総合科学研究所教授、会計学)