「受けられて安心」医療が脆弱な離島のリスク軽減 津堅島でワクチン一斉接種


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
全住民を対象としたワクチンの一斉接種が行われた会場=15日午後0時12分ごろ、うるま市勝連津堅の津堅小中学校(代表撮影)

 【津堅島=うるま】うるま市の津堅島で15日、高齢者だけでなく、一般住民を含めて新型コロナウイルスのワクチンが接種された。高校1年から97歳まで計142人が受けた。沖縄本島ほど医療体制が整っておらず、離島特有の感染リスクにさらされる住民は「島に感染を持ち込む不安でいっぱいだった」「受けられて安心した」などと話した。

 会場となった津堅小中学校の体育館には正午の接種開始に合わせ、予約した住民らが次々と訪れた。

 住民は市職員らの指示に従って、医師による診察の後、ワクチン接種を受けた。経過観察のため15分ほどとどまり、1回目の接種を終えたことを証明する「接種済証」を受け取って会場を後にした。

 津堅小中学校の教職員8人も接種を受けた。開封して余ったワクチンは医師や保健師らに接種された。

 接種を受けた幸良真央さん(16)=前原高校2年=は「副作用などがあると聞いて不安もあったが、県内で感染者が増えて大変な中で接種でき、感謝している」と話した。

 市は事前に住民への意向調査を実施し、かかりつけ医に接種の可否を確認するなど準備を進めていた。

 島袋俊夫市長は「スムーズに接種でき、ひと安心だ。離島は高齢者が多いが、医療施設が脆弱(ぜいじゃく)で交通も不便だ。津堅島で成功し、細かなフォローができれば本島でも生かせると思う」と述べた。