元沖縄考古学会会長・嵩元政秀さん死去 87歳 グスク研究の基礎築く


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
嵩元政秀氏

 元沖縄考古学会会長で、グスク研究の基礎を築いた嵩元政秀(たけもと・まさひで)氏が14日午後0時50分、肺血栓のため南風原町の福祉施設で死去した。87歳。旧・勝連町内間(現・うるま市)出身。自宅は那覇市首里鳥堀町。告別式は18日午後1時から1時半まで、浦添市伊奈武瀬1の7の1、いなんせ会館で。喪主は妻富子(とみこ)さん。

 嵩元氏は1956年に琉球大学を卒業後、琉球政府立博物館主事補や琉球政府文化財保護委員会事務局などを務めた。79年から2002年まで沖縄考古学会会長を務め、県文化財保護審議会会長も歴任した。興南中学校や興南高校の校長も務めた。

 2004年に県文化功労賞、08年秋の叙勲で旭日双光章受章(文化財保護功労)、05年に第32回東恩納寛惇賞(琉球新報社主催)を受賞した。

 グスク研究を大きく前進させたことに加え、沖縄の日本復帰後に県内各地で開発計画が進む中、県内各地の貴重な文化財保護にも重要な役割を果たした。74年には、国道58号の拡張工事で破壊される危機にあった恩納村の仲泊遺跡の保存活動にも尽力した。次の世代の研究者ら後進の育成にも力を注いだ。