「静かな空を取り戻す」嘉手納爆音で第4次訴訟へ 原告3万人目指す


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
記者会見する「第4次嘉手納基地爆音差止訴訟準備会」の(左から)松田米雄副会長、新川秀清会長、弁護団の池宮城紀夫団長、金高望事務局長=16日、県庁

 米軍嘉手納基地の周辺住民が、騒音被害を訴えて夜間・早朝の米軍機の飛行差し止めなどを求める第4次訴訟の準備会が発足した。準備会の役員らが16日、県庁で記者会見し、「静かな空を取り戻すために準備に取りかかっている」などと述べ、来年1月に那覇地裁沖縄支部に提訴する方針を明らかにした。原告数は過去最多の3万人を目指す。

 「第4次嘉手納基地爆音差止訴訟準備会」はことし3月に発足し、原告の募集を始めている。対象は、嘉手納基地周辺5市町村で国が定めた騒音コンター(分布図)において、うるささ指数(W値)75以上の区域の住民。

 基地騒音訴訟では、過去に生じた騒音被害について賠償を命じる一方、飛行差し止めについては基地の管理は米国に委ねられており、日本政府が規制できる立場にないという「第三者行為論」によって退けられている。弁護団の池宮城紀夫団長は「損害金だけでは被害救済ができるわけではない。根源的な飛行差し止めが認められないのはおかしい」と強調した。

 準備会の新川秀清会長(84)は、1982年の第1次訴訟から39年がたった現在も、嘉手納基地周辺では入学式や卒業式もままならないほど騒音に悩まされ続けているとし「3次でできなかった静かな空を取り戻すため、頑張り通さないといけない。私たち大人がやるべきことだと感じている」と話した。