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今年2月に福島県・宮城県沖で震度7強を観測した大きな地震が発生しました。その時の加藤勝信官房長官の記者会見映像が「笑顔」になるように加工され、「こんな時に笑っている官房長官許せない」とデマがツイッターで拡散されました。
AI技術を活用したかのような仕上がりで、パッと見ただけでは、加工された画像とはすぐに判断できないような精巧さでした。こうした技術は「ディープフェイク」【※1】と呼ばれ、人の表情を簡単に変えることができます。
今後は動画の顔合成などもスマホで行えるようになるでしょう。
※1 ディープフェイク … AI技術で写真・動画を加工する技術。高度なものになると人間の目で見破ることは難しく、ディープフェイクを見破るAIなども開発されています(しかし、その上をいくディープフェイクが現れ…とイタチごっこになる可能性もあります)
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事実に基づき政治家を批判することは「言論の自由」ですが、デマで攻撃をすることは名誉毀損に当たる可能性もあり、何より民主主義を破壊します。
今後ディープフェイク技術がさらに向上すると、人の目で見極めることが困難になり、私たちの情報を選ぶ能力はより重要になります。
いつ・誰が投稿したものか。その主張に根拠はあるのか。複数のメディアが報じているのか。正確性が判断できなければシェアやコメントを避けるくらい慎重になる必要があります。
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情報の正確性の確認とあわせて、他人の顔写真や動画などを勝手に加工・編集して公開することも慎重に考えないといけませんね。自分は「こう加工するとかわいい」と思っても、相手が快く思わない可能性がありますから。
友達を今回のような「真逆の表情になるよう加工」すると、絶縁されてもおかしくありません。
簡単に使うことができる画像加工アプリだからこそ、使うタイミングなどを強く意識してみましょう。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。