川満逃げ切り初V 男子ゴルフ下部ツアー


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 男子ゴルフの下部ツアー、AbemaTVツアーのアイゴルフシェイパー・チャレンジは16日、福岡県筑紫ケ丘GC(7101ヤード、パー72)で最終ラウンドが行われ、2位と4打差の単独首位で出た川満歩(西原東中―柳川高―日本大出)が4バーディー、4ボギーの72で回り、通算9アンダーの207で下部ツアー初優勝を果たした。2打差の2位は佐藤太地、太田祐一、ダニー・チア(マレーシア)の3人。玉城海伍は通算1アンダーの32位だった。


36歳苦労人 努力実る
 

スイング後、ボールの行方を見詰める川満歩=16日、福岡県の筑紫ケ丘GC(JGTO提供)

 2007年にプロ転向した36歳の苦労人が、ついに悲願の優勝トロフィーを手にした。「この優勝はまず母親に伝えたい。ずっと世話掛けたし、小さい頃からお金もかけてもらって…。胸を張って沖縄に帰りたい」。川満の言葉に強い達成感がにじんだ。

 2日目にイーグルを奪うなどして単独首位に立った。最終日の最終組はキャリア初だったが、同組には旧知の選手がいて「メンバーがやりやすく、緊張はしなかった」という。

 時折突風も吹く中で我慢のゴルフを続けていたが、9番、10番で連続ボギーをたたき、嫌な雰囲気に。それでも「10番はラフに打ち込んだ時点で狙えなかった。仕方なかった」と切り替え、11番はパーセーブ。落ち着きを取り戻し、12番、13番は約3メートルのパットを沈め、連続バーディーで再び波に乗った。

大会関係者に囲まれ、優勝トロフィーを持つ川満歩(中央)=16日、福岡県の筑紫ケ丘GC(JGTO提供)

 昨年、解析機を使った練習でパターの精度が向上。158センチと小柄だが、持ち味のドライバーも安定した飛距離を出した。14年間の努力と我慢の先に訪れた栄光の瞬間。「本当にうれしくてしょうがない」。遅咲きのチャンピオンが、声を弾ませた。