沖縄をスタートアップの聖地に ワーケーション研が新興企業の連携の場模索


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沖縄を起業の聖地にしたいと語る日本スタートアップ支援協会の岡隆宏代表理事=15日、糸満市兼城

 起業家への支援や投資などを手掛ける日本スタートアップ支援協会(大阪、岡隆宏代表理事)が運営する「沖縄ワーケーション研究会」は、年内にも県内でスタートアップ(新興企業)が集まるコミュニティー「コーラルバレー(仮称)」をつくり、スタートアップの聖地を目指す。コミュニティーは基本的にオンラインで結成するが、起業などに関するセミナーなどが開催できる場所を交通利便性が高い那覇市内に設置する計画もある。

 「沖縄ワーケーション研究会」は同協会をはじめ、経営者、沖縄総合事務局など約50人が参加している。月1回、ワーケーションを通じたスタートアップの県内誘致やコミュニティーの結成などを議論する。

 日本スタートアップ支援協会の岡代表理事は、ビジネスプランを競い合う発表会「ピッチイベント」を全国各地で開催しており、これまで県内でも約5回実施したという。昨年12月から家族と県内でワーケーションしており、「沖縄で出会う起業家は輝いている人が多い。少し落ち着いて近くで見てみたいと思って、沖縄でリモートワークを決めた」と振り返った。

 花粉症とドライアイを持つ岡氏は「沖縄に花粉がなく、湿気も高いため、仕事の質が良くなった」と、県内でのワーケーションの利点を語った。

 元上場企業の代表でもあった岡氏は「スタートアップが東京などの大都会に集中しているのが良くない。大災害などが来るとリスクも高い。地方創生の一環で、いい人材がたくさんいる沖縄にもっと多くのスタートアップに来てほしい」と述べた。

 東京や大阪から来ると悩みの一つが、同じスタートアップと相談ができるコミュニティーがないことだという。岡氏は「新しいことをチャレンジしたいとき、相談相手が欲しくなる。沖縄に安心・安全な交流場所があれば、誘致にもつながるだろう」と話し、今後スタートアップの支援を続ける姿勢を見せた。