糸数、五輪へつなぐ3位 コロナ禍の表彰台喜ぶ 重量挙げアジア選手権


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 重量挙げのアジア選手権第2日は18日、ウズベキスタンのタシケントで行われ、男子61キロ級の糸数陽一(豊見城高―日大出、警視庁)はスナッチ130キロ、ジャーク155キロのトータル285キロで3位に入った。女子55キロ級の佐渡山彩奈(宮古高―平成国際大出、いちご)はスナッチ87キロ、ジャーク105キロのトータル192キロで8位だった。

男子61キロ級 トータルで3位に入り、表彰台に上がった糸数陽一(右から2人目)=18日、ウズベキスタン・タシケント(提供)

コロナ禍 表彰台喜ぶ 糸数

 スナッチ2回目の130キロはバーベルを前方に落としたが、その後は安定感を取り戻した糸数陽一。成功を重ね、ジャーク最終試技は160キロに挑んだ。一度は成功と判定されたが、頭上に差し上げた後に下半身が安定せず、数歩前に動いたことでプレスアウトを取られ、一転失敗となった。

 

 結果は自身が持つ日本記録のスナッチ135キロ、ジャーク164キロには遠く及ばず、「内容も記録も悔しい部分が大きい」と振り返った。ただコロナ禍で大会日程が過密になり、試技前から厳しい状況は認識していた。「大変な状況の中でも試合ができてうれしいし、記録も残せてよかった」と表彰台を喜んだ。

 

 出場の目的としていた、東京五輪の代表選考に懸かるポイントは最低限確保できたという。「オリンピックに向けて一歩前進したという気持ち」と前向きに語る。五輪が3カ月後に迫る中、「またコロナが増えて厳しい状況だけど、一アスリートとして準備をしっかりすることしかできない。東京五輪が開催されれば、皆さんに勇気と感動を与えられる試技ができるよう頑張りたい」と力を込めた。


女子・佐渡山8位

 ○…佐渡山彩奈のジャーク最終試技。重量は109キロ。成功すれば東京五輪の代表選考レースでライバル八木かなえの前に出る。引き締まった表情でバーベルを握り、クリーンに成功。呼吸を落ち着かせ、一気に頭上へ。しかし姿勢が安定せず、後方に落下させた。

 前に一礼した後、舞台横に引き上げながら悔しそうに両手で額を押さえた。来月で27歳。アジア選手権前、「五輪は年齢的にもぎりぎり。自己新を出して代表になりたい」と意気込んでいた佐渡山。タオルで顔を抑えながら、涙を流した。


 

▽男子61キロ級 (3)糸数陽一(警視庁)285キロ(スナッチ130キロ、ジャーク155キロ)
▽女子55キロ級 (8)佐渡山彩奈(いちご)192(87、105)