ワクチン接種「自宅訪問で意向調査、送迎タクシー」中城村が独自の取り組み


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中城村伊集区で喜屋武千枝自治会長(左)の訪問を受ける新垣恵美子さん=19日、同区

 新型コロナウイルスのワクチン接種について、高齢者を対象にした予約受け付けが一部市町村で始まっている。県内14市町村で4月中の「集団接種」や「高齢者施設」での接種開始を目指している。一部自治体では予約が殺到し「電話がつながらない」などのケースがある一方、中城村では自治会長が高齢者の自宅を訪問し予約確認するなど、市町村によって方法や対象年齢など対応が異なる。過去に例を見ない大規模接種事業を前に、医師やワクチン供給数の不足など課題もあり、市町村の職員は対応に追われている。

 【中城】新型コロナウイルスの65歳以上高齢者へのワクチン個別接種に向け、中城村が独自の取り組みを進めている。高齢者の自宅を村内21区の自治会長が訪問し、接種希望の意向を確認。その調査を基に、村が村内の医療機関と連携し、予約日時を割り振っている。高齢者を送迎するタクシーも用意する。

 ワクチン接種を巡っては一部の自治体で、高齢者が自ら予約する手続きで混乱が生じている。中城村では行政が主体となって手続きを進め、スムーズな接種につなげる狙いがある。

 村が計画を2月に考え、調査を依頼された自治会長が3月に訪問した。対象者4594人中、高齢者施設入所者らを除いた4030人から接種の希望を聞き取った。希望者のうち約3500人が、5月10日から村内7医療機関で個別接種する。接種券は3月に各自宅へ配布した。4月20日から自治会長が案内通知を配り、個別接種の日程などの周知を図る。接種前日はコールセンターから電話もあるという。

 伊集区で喜屋武千枝自治会長(74)の訪問を受けた新垣恵美子さん(77)は「(手続きが)楽で助かる」と話した。個別接種の取り組みを発案した、村のワクチン接種プロジェクトチームリーダーの金城勉さんは「地域住民の命と安心安全な暮らしを守るため、一日も早く接種できるよう取り組んでいる」と述べた。

 高齢者施設の接種は4月27日から実施。村内で実施する集団接種は、吉の浦会館で5月20日から始められるように、中部地区医師会と調整している。2回目の接種は7月末までに全て終わらせる予定。問い合わせは同チーム(電話)098(917)0137(平日午前8時半~午後5時15分)。