ユース経験で「必要なことが明確に」 ハンド日本代表へ成長目指す 西田瑞歩<決意の春>


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大阪体育大への進学を決め、卒業の日も後輩たちと練習に励む西田瑞歩=3月1日、コザ高校

 高校2年の時にハンドボール女子U18に選抜された西田瑞歩(18)=美東中出=はコザ高を卒業し、全日本インカレ7連覇中の強豪、大阪体育大に進学した。高校最後の年は、勝負を懸けた県総体で準優勝、もう一つの目標だったユースの活動はコロナ禍で中止に。悔しさが残る1年を経験した。

 視野を広げるきっかけになった日本代表への意欲も胸に、大学からは地元を離れ、常に全国レベルの環境に身を置き、さらなる成長を目指す。

 高校入学後、2年連続で選ばれたユースの活動は刺激的だったという。身長約160センチ。持ち味はパスの球際を抑える守りの強さとスピード。ポジションは、中央から攻め上がり、時に守備陣の枝を抜く力が求められるバックプレーヤー。身長は決して高いとは言えないが、それを補う運動量で同世代のトップ選手と肩を並べる。

 一方で世界では動きだしの素早さやパスの技術などが「まだ通用しない」と痛感した。特に2019年の第8回アジア選手権では「大きい選手を相手に渡り合うための技術、フェイント力などが足りないことを知った」と振り返る。

 それでも代表チームは3位入賞。20年9月に開催予定だった第8回世界選手権への出場につなげた。県総体優勝とユース活動がモチベーションにもなっていたが、コロナ禍が練習にも大きく影響。世界選手権も結局、中止に追い込まれた。

 ただユースの経験は「もっと上のレベルで戦うために必要なことが明確になった」。漠然としていた実業団入りを目標に、大学進学を高校3年進級時点で決断した。

 大阪体育大は13~19年からインカレ優勝。同じユースのメンバーも入部し、約50人の部員を誇る。練習では左サイドに入るなど環境が高校とは全く違う。「大学でどこまでできるか。それで自分の将来、目標も変わってくる」。昨年中止になったインカレの8連覇を目指すチーム内でまずは競争を勝ち抜く。

 (謝花史哲)