障害ある人もない人も、猫も…幸せシェアするカフェ 南城市にオープン


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開店を喜ぶ「猫雑貨&カフェfukufuku」の金城和歌子さん(右から2人目)、浜川晃代さん(同3人目)らスタッフのメンバー=20日、南城市知念知名の同店

 【南城】障がいのある人とない人が共に働くカフェ店「猫雑貨&カフェfukufuku(ふくふく)」が20日、南城市知念知名にオープンした。店舗は一般社団法人UNIVA(ユニバ)が運営し、障がい福祉サービス事業就労継続支援B型の事業所として障がいのある利用者5人らがスタッフとして働く。

 1階には緑あふれる庭とコーヒーの芳醇(ほうじゅん)な香りが漂う飲食スペース、2階にはのんびりと寝そべる8匹の猫が出迎えてくれる。

 同店の管理者、金城和歌子さん(47)は障がいのある人が仕事を自由に選べる社会を目指して、25年間福祉系の仕事に従事してきた。「カフェを経営するに当たり利用者の工賃向上にも努め、コーヒー、調理、猫の飼育係など、それぞれの担当に合った多様性のある働き方を実践したい」と話す。

 店内でコーヒーを入れるのは脳内出血による後遺症で左半身不随になった浜川晃代(てるよ)さん(54)。「昔からコーヒーが好きだったので、カフェで働けてうれしい」と喜ぶ。浜川さんは開店前にコーヒーインストラクターから講習を受けてハンドドリップを習得。技を磨いた。「お客さんにおいしいコーヒーをお出しすることが、大きな充実感になる」と笑顔で語った。

 猫は保護猫やシェルターから引き取られてきた。同店では飼い主も募集している。金城さんは「『fukufuku』という名前は全ての人と動物に、福が訪れますようにと意味を込め、スタッフもお客さんも猫も、この店で幸せになってくれたら」と願った。

 同店は愛玩動物飼養管理士の資格を持つ金城さんがこれから実務経験を積むため、飲食スペースで猫に触れることはできないが、金城さんは「来年までには『猫カフェ』として再オープンし、お客さんが気軽に猫と触れ合う場所にしたい」と意気込んだ。

 場所は南城市知念知名126。営業時間は正午~午後5時。定休日は毎週水曜と日曜、祝日。問い合わせは(電話)098(988)8710。