なぎなた、全国の猛者と仲間が力に 鹿屋体育大進学の宮城昭奈<決意の春>


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かけがえのない仲間たちと共になぎなたに打ち込んできた宮城昭奈=3月16日、首里高

 団体3連覇が懸かる全国総体がコロナ禍で中止に―。昨年4月、首里高なぎなた部で主将を務めていた宮城昭奈(18)は「自分の代でも優勝したかった」と喪失感に見舞われた。4、5月は部活動自粛で、部員のモチベーションは下がった。進学準備もあるため、ミーティングを重ね、保護者とも話し合い、おのおので進退を決断した。7月の県総体を前に3年生8人中4人が引退を決めた。

 「みんなで目指した全国がなくなり、悔しい思いをした。県総体は全国の舞台という気持ちで臨んだ」と宮城。引退した4人も駆け付け、人一倍の応援で仲間を奮い立たせた。演技ではライバルの知念に軍配が上がったが、団体5連覇、宮城は個人競技も制した。

 保育園でなぎなたに触れ、小中高と励んできた。高校で気付いたのはチームプレーの大切さ。「それまでは1人でやっているという思いがあった。高校ではチームのみんなとやっているから続けられたと思う」と力を込める。

 全国を経験し、多くの猛者と対戦してきた。「みんな構えが違うし、沖縄にいないタイプも多い。苦手なのは自分と似たタイプ。先に仕掛けてくるのではなく、よく観察されるとやりづらい」と改めて奥深さを感じつつ、次のステージ、大学での競技に進む。

 後輩たちも日々成長している。一つ下で与那原中から同じ大城志歩、小川陽らが現チームを引っ張る。いまだコロナ禍の中だが、安心して後を任せる。

 尊敬する先輩の安次嶺心らがいる鹿児島の鹿屋体育大に進学。同校入学式で宮城は230人の入学者を代表し「先輩や同期と切磋琢磨(せっさたくま)し、豊かな人格の形成をめざす」とあいさつ。在学生を代表して3年の安次嶺が「失敗を恐れずに自由を楽しんで新しいことに挑戦してほしい」と激励した。

 大学では、上達のために効果的なトレーニングの研究をしたいと意気込む。「体育教師になって競技指導者になるか、警察官にも興味がある」と将来の夢を描いている。
 (大城三太)