被災地との絆、花開く 気仙沼のヒマワリ250本が育つ 渡嘉敷


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ヒマワリ250本を育てた新垣光枝さん(右)と見学に訪れた保育園児ら=20日、渡嘉敷村渡嘉敷区内の嘉手苅農園

 【渡嘉敷】東日本大震災から10年の節目に、復興のシンボルとして渡嘉敷村の新垣光枝さん(73)が種から植えたヒマワリ250本が3月下旬ごろから咲き始め、道行く人の目を引いている。昨年10月に渡嘉敷区内の嘉手苅農園の畑に種をまいた。ヒマワリを通じ被災地の人々と絆を深め、震災を伝え継ぐ一助になればと新垣さんは考えている。

 新垣さんは2011年の冬から毎年被災地の宮城県気仙沼市の子どもたちへ手編みのマフラーを贈っている。これが縁で、気仙沼市の児童館や幼稚園などとの交流を続けている。ヒマワリの種は、気仙沼市で新垣さんが贈ったマフラーの配布窓口をしている元幼稚園園長の吉田和美さんから贈られた。

 昨年の夏に気仙沼市の赤岩児童館、鮪(しび)立(たち)児童館で花を咲かせたもので、その種を新垣さんが昨年10月に植え付けして花を咲かせた。現在5分咲き程度で島の子どもたちも見学に訪れ大輪の花に歓声を上げていた。

 新垣さんは「このヒマワリから取れた種を住民にも分けて増やしていき、被災地の人々の思いを伝えていければ」と話した。

(米田英明通信員)