ハラスメントない部活指導へ 高2自殺受け教員研修「誰もが加害者、被害者に」


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オンラインで開催された県立高校保健体育科主任等研究協議会で講演する石原端子沖縄大学准教授=23日、沖縄市与儀の県立総合教育センター

 沖縄県教育委員会は23日、県立高校保健体育科主任向けの研究協議会で、部活動の在り方を考える研修を実施した。部活動顧問から日常的に厳しい叱責(しっせき)を受けていたコザ高校2年の生徒が自殺した問題の発覚後、現場教員向けの研修は初めて。オンラインで約70人の保健体育科教諭が参加し、ハラスメントのない部活動の指導法について考えた。

 研究協議会は毎年開催していて、行政施策の周知や情報交換が本来の目的。今回は生徒の自殺事案を受け、沖縄大学の石原端子(まさこ)准教授を講師に招き、部活動の在り方について議論した。

 石原准教授は「ハラスメントは非常に『いい子』をつくり出す。それは『大人にとって都合のいい子』であり、自分で判断できる主体性のある子ではない」と指摘。教員と生徒、コーチと選手、上級生と下級生など、固定された立場の環境では誰もが加害者・被害者になり得ると説明し、常に意識する必要性を説いた。

 参加した教員は「事案の後、私自身が生徒に対して威圧的に接していなかったか振り返った。誰もが加害者になり得ると理解し、気を付けないといけない」と語った。