興南・山城復活!昨年の九州王者に12K 具志川商も8強 春季九州高校野球


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 高校野球の第148回春季九州大会は24日、大分県で開幕し、県春季大会王者の興南が、昨秋の九州王者・大崎(長崎)に8―2で快勝した。21世紀枠で選抜大会に初出場した具志川商は継投で東明館(佐賀)を3―0に零封し、それぞれ8強入りした。次戦はいずれも27日で、興南は鹿児島実業―藤蔭(大分)の勝者と午前10時から、具志川商は長崎商―柳ヶ浦(大分)の勝者と午後1時から、大分県の別大興産スタジアムで4強入りを懸けて対戦する。


興南、大崎に8―2 山城 完全復活12奪三振

 県春季大会王者の興南が、昨秋の九州王者・大崎を下し、白星スタートを切った。勝利の立役者は、春季大会で登板のなかった左腕の山城京平。春季大会は、具志川商とのチャレンジマッチ以外、一度も登板できず悔しさだけが残った。大会後「シャドーピッチングの時も打者やカウントを意識して練習してきた」と実戦をイメージした練習で人一倍汗を流してきた。

 九州大会前から調子は右肩上がりで、試合直前に先発を言い渡されたが「気持ちはぶれずに落ち着いていた」。

 この日はスライダーやチェンジアップ、直球と緩急を意識し、九回途中まで12奪三振、被安打3と大崎打線を封じペースを握った。「久しぶりの先発で長いイニングだったが、コースを突いた投球で打たせて取ることができた。十分な内容だった」と満足げな様子。

 完全復活を遂げた秋のエースを興南打線が援護した。二回に7番・山川宗慶の適時二塁打で先制すると、七回に1点、九回には打者一巡の猛攻で6点を追加し、完勝した。

 九州王者を倒し勢い付く中、宮城琉人主将は「どんな相手でもきょうのようにベンチから盛り上げて勝ち続ける」と頂点を見据える。


具志川商、東明館に3―0 主将・粟國 均衡破る先制打

 頼りになる主将が、先制点を生んだ。四回1死二塁で3番・粟國陸斗への2球目。初球と同じ外角の直球に「ボールだと思ったが、踏み込んで打った」。ライナー性の打球を右翼へ運び、2走の大城勢武太が先制のホームを踏んだ。スコアボードにゼロが並んだ展開だっただけに「本当によっしゃって感じになった」と笑顔を見せる。

 2点リードで八回を迎えた具志川商だが、まだまだ気は緩めない。4番の狩俣伊吹が、左翼への適時打から貴重な1点を生む。「良い準備をして迎えたので、結果につながった」。選抜大会、チャレンジマッチと4番を任せられながらも納得のいく結果が出せず「狙い球を振らなかったり、球から目線がずれたりしたので細かい部分を修正した」。この日4打数3安打1打点と主砲としての役割を果たした。

 昨秋の九州大会は準々決勝で敗れ、4強入りはならなかった。次戦は4強の懸かった大事な一戦だ。狩俣は「自分たちにとって九州での歴史を塗り替えるチャンス。打撃は波があるので、全員でカバーしあい、つなげたい」と気を吐いた。