世果報願い至芸披露 琉舞保持者と人間国宝共演


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人間国宝の西江喜春さん(左から2人目)らの歌三線で「諸屯」を踊る重要無形文化財「琉球舞踊」保持者の玉城節子さん(同3人目)=25日、那覇市の琉球新報ホール

 重要無形文化財「琉球舞踊」保持者による舞台「一陽来復(いちようらいふく) 予祝の舞~金福(こんぷく)の絆~」が25日、那覇市の琉球新報ホールであった。「組踊立方」人間国宝の宮城能鳳さんをはじめとする第1次認定(2009年)の保持者9人の舞踊と、人間国宝2氏の独唱など12演目が上演された。新型コロナウイルス感染症を乗り越えた先に、より良い未来が訪れることを願い、至芸が共演した。新報アートルネッサンス「新歩の時」の一環。

 琉球古典音楽の四流会派による古典音楽斉唱で幕を開けた。能鳳さんは、いとしい人の旅立ちを見送り、思い悩む遊女を描いた雑踊「花風」を踊り、はかなくも美しい立ち姿で観客を魅了した。独唱では「組踊音楽歌三線」人間国宝の西江喜春さんが「二揚仲風節」、「琉球古典音楽」人間国宝の中村一雄さんが「仲間節」を歌った。最後は谷田嘉子・金城美枝子姉妹による「加那ヨー天川」で、客席の手拍子とともににぎやかに幕を下ろした。