平和教育実践を支援 県平和祈念資料館 教員向けに説明会 棚原教諭発表、学び全体横断を


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平和学習の重要性を熱く語る棚原綾乃教諭=5日、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館(同館提供)

 【糸満】糸満市摩文仁の県平和祈念資料館(雉鼻章郎(きじはなふみお)館長)は5日、県内の教員らを対象に「平和講話等利用案内説明会」を開いた。施設説明をはじめ、教育機関との連携事業として県内の学校向けに平和講話を館内で実施したり、平和学習キットなど資料の貸し出しを行っていることなどを紹介した。

 平和学習実践事例報告では、那覇市立小禄小学校の棚原綾乃教諭が自身の取り組みについて発表した。棚原教諭は、平和学習を行う上で大事にしていることについて「目標と計画」「事前学習の重要性」「つなげる」の三つを挙げた。

 「平和学習をイベント的に行うのではなく、日々の生活や学校行事、音楽、図工、社会(歴史)、特別活動など、教科学習全体を横断的につなげて平和を考えることが大切だ」と述べた。また、子ども自身が自分を見つめて心と心をつないでいくこと、学びをアウトプットすることで深い学びにつながるという取り組みなどを紹介した。棚原教諭は「平和学習を通して平和を語り継ぐ子どもたちになってほしい」と強調した。

 小禄小学校では同館の貸し出し事業を活用し「小禄小平和ミニ祈念資料館」を開設、全学年が平和に対する意識向上を図っていることの実践報告もあった。 (中川廣江通信員)