陸自、ミサイルの搬入時期を説明せず 宮古島・保良弾薬庫で住民見学会


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陸上自衛隊「保良訓練場内」に設置されたテントで防衛局職員の説明を受ける住民ら=25日午前、宮古島市城辺保良

 【宮古島】沖縄防衛局は25日、宮古島市城辺保良で整備する陸上自衛隊「保良訓練場」の住民見学会を開いた。地元の保良・七又両地区の住民が訓練場内で説明を受けた。ミサイルの搬入時期や施設内の弾薬保管量などについて明確な説明はなかった。参加した市民からは「アリバイづくりだ」など批判の声も上がった。

 見学会は保良・七又の住民限定で開かれた。午前と午後で約60人が訓練場内に入った。参加したミサイル・弾薬庫反対住民の会の下地博盛代表は見学後に会見し、「危険な施設だと改めて感じた」と振り返った。下地代表によると、住民は訓練場内を巡らずに弾薬庫前に設置されたテントに案内された。テント内で防衛局職員が雨水・汚水処理施設や弾薬庫、射撃場など施設概要を30分ほど説明した。質疑も含め約1時間で終了した。

 下地代表は、ミサイル搬入時期や火薬類の保管量、集落との保安距離など「住民が最も心配する事、重要なものは何一つ明確にしなかった」と批判した。不慮の事故や有事の際の地域住民の避難計画についても「県、市と連携して対応する」とだけ回答した。

 下地代表は「市民の安全をどう守るのか明確にされなかった。従来通りの回答でしかなく、不誠実で大変残念だ」と語った。住民の会として「今後も全市民対象の説明会を求めていく」と強調した。