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中学時代、JETで演奏「そこにロックがあった」ミュージシャンJUONさん<県人ネットワーク>


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渡嘉敷村の観光大使に就任したミュージシャンのJUONさん=22日、琉球新報東京支社

 ミュージシャンである沖縄出身の父と、沖縄を愛する母の間で育った。ロックバンド「FUZZY CONTROL」のギター・ボーカルとして活躍後、現在はソロで活動する。人気音楽グループ「DREAMS COME TRUE」などのバンドサポートも務める。3月には渡嘉敷村の観光大使に就任した。「沖縄への感謝を込めて、渡嘉敷を音楽で彩らせていけたら」と熱い思いを語った。

 「生まれる前から音楽の記憶がある」と言うほど、音楽があふれる環境で過ごした。自宅にはいつも父親の音楽仲間が集い、誰かしら歌を歌い、楽器を奏でていた。父はバンド「サンディエゴ」などで活躍したギタリストのGANGYこと糸数元治さん、母はシンガー・ソングライターで女優として知られる故りりィさんだ。

 音楽の道に進もうと思ったのが小学5年生の頃。父親の手ほどきを受け、ギターの練習に1日8時間を費やすほどのめり込んだ。中学生の時、沖縄市のライブハウス「JET」でのライブに飛び入り参加した記憶を今でも鮮明に覚えている。「客は米兵しかいない。そこにはロックの風景があり最高だった。やっぱり自分はこれなんだと思った」。紫など沖縄ロックにも影響を受けてきた。「自分は沖縄でアメリカのロックを経験している」

 観光大使に就任した渡嘉敷島は母りりィさんが好きで、楽しい思い出が詰まった場所である。2016年に亡くなった母との約束で遺骨を同島の海にまいた。4年ほど前からは島のミュージックフェス「音もだち」に出演。子どもたちとも交流を深めている。

 那覇市内の病院で生まれたが、生後1~2カ月で上京した。だが、出身地を聞かれれば、沖縄出身だと言っている。「血はつながっていなくても、沖縄では家族のように交流してる人が多い。幼なじみも沖縄にしかいない。東京で音楽を作って、沖縄に帰って人に会ってパワーをチャージしている」と笑顔で話す。


 じゅおん 1985年3月、那覇市内の病院で生まれる。本名は鎌田樹音。10歳から本格的にギターを始め、15歳でメジャーデビュー。2003年にロックバンド「FUZZY CONTROL」を結成。現在はバンドは休止中、ソロで活動。「DREAMS COME TRUE」「三代目J Soul Brothers」の登坂広臣のソロのサポートも務める。