FC琉球、甲府に初勝利 1-0で接戦制す 後半45分、池田がヘッド弾


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 サッカー明治安田J2の第10節は25日、各地で行われ、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでヴァンフォーレ甲府と戦い、1―0で競り勝った。2019年のJ2参入後、4連敗していた甲府に初勝利となった。8勝1敗1分けで勝ち点25。順位は2位のまま。0―0で折り返した後半、甲府のパス回しから猛攻を受けたが、45分に池田廉がヘディングで得点を奪い勝利した。次戦は5月1日午後3時から、神奈川県の相模原ギオンスタジアムでSC相模原と対戦する。

 J2参入以来、4戦連敗中の甲府に初勝利した。0―0の後半45分、コーナーキックからのクロスを甲府のGKがはじき、それを池田廉が頭で放り込んだ。ゴール判定に対し、甲府は審判に猛抗議。GKと琉球の選手がもつれる形となっていたと主張したが、受け入れられなかった。

 甲府はパス回しの精度が高く、体の使い方も巧みだった。マークを受ける前に次々とパスをつなげ、完全に守備を崩す場面もあった。

 そんな中、チームにリズムをもたらしたのは上里一将主将だった。ミスなく落ち着いたパスさばきで攻撃に転じる際の軸となった。甲府の猛攻で劣勢が続いた後半も「前回3失点で守備を崩されたので連敗しないよう集中できていた」と守備陣と共に無失点でしのいだ。交代間際の後半44分には「ずっと狙っていた」と、相手GKの隙を突くロングシュートを放ち、ゴールをおびやかした。

 チームの課題について「一人一人、ボールを持つ時間が長い」とずばり。攻撃面では「ボールがつながらず、無理して保持しようとしている感じ。いてほしいポジションに選手がいない」と個々の自覚と奮起を促した。
 (大城三太)


(1)タピスタ
琉球 8勝1分け1敗(25)
 1―0(0―0,1―0)
甲府 4勝3分け3敗(15)
▽得点者 【琉】 池田(4)
▽観客 2333人

 【評】琉球は序盤で甲府にペースを握られたが、徐々に細かいパス回しが機能し始めた。左サイドからのクロスなどで得点機もあったが押し込めなかった。
 後半は攻め込まれる時間帯が増え、猛攻に耐えた。最後は終了間際のコーナーキックから得点につなげた。

◆守備を評価したい

 樋口靖洋監督(琉球)の話 どっちに転んでもおかしくない拮抗(きっこう)したゲームになった。後半はなかなか思うような攻撃ができなかった。受けに回る形でボールをつなげなかった。強度を上げて守備ができたのは評価したい。敗戦の後に勝てたことはよかった。

◆判定に泣いた

 伊藤彰監督(甲府)の話 審判をリスペクトしているし、しっかり判断したと思うが(ゴールの)判定に泣いた。仕方ないが、こういう結果は残念。前半からいい入りができて、後半はDFの裏を突こうと話した。風下の中でしっかり守備をしてくれた。