都庁の展望台近くを横切る米軍機 報道した記者らが語る低空飛行の実態


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オンライン全国交流会で東京都内での米軍機による低空飛行の実態を報告する毎日新聞の加藤隆寛記者

 【東京】米軍機の低空飛行中止を求める全国交流会(日本平和委員会主催)が24日、オンラインで開かれた。東京都心での在日米軍ヘリコプターの低空飛行を報道した毎日新聞の加藤隆寛記者とジャーナリストの吉田敏浩さんが、低空飛行の実態と日米地位協定の問題点について報告した。参加者からは低空飛行をやめるよう訴える声が相次いだ。

 加藤さんは東京都庁の展望台近くを横切る米軍ヘリを目の当たりにして「自分に向かってくる感覚だった。恐怖を感じた。(米軍ヘリには)緊迫感はなく、特権意識を持ちながら日本人をあおるように感じた」と語った。低空飛行の問題を報道することで「変えないといけないといううねりにつながってほしい」と訴えた。

 吉田さんは訓練区域外での米軍機の飛行訓練について「米軍のニーズを追認するため、日米安全保障条約や日米地位協定を拡大解釈している」と指摘し、米軍の運用については日米合同委員会で決定するのではなく国会が関与する必要性を強調した。

 そのほか高知県、徳島県、奄美など各地から米軍機による低空飛行について報告があった。沖縄からはチーム緑ヶ丘のメンバーが米軍普天間飛行場から岩国基地(山口県)に移駐したKC130空中給油機が現在も上空を飛行している実態を報告し「負担が増している。危険の放置に憤りを感じている。低空飛行がなくなるよう一緒に頑張りましょう」と呼び掛けた。