21秒も短縮!粘って記録「100点だった」 上原5000メートル県高校新


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13分56秒84で5000メートルの県高校新記録を打ち立てた北山高3年の上原琉翔(中央、21番)=26日、日体大横浜健志台キャンパス陸上競技場(提供)

 陸上の第286回日体大長距離競技会最終日は26日、同大学横浜健志台キャンパス陸上競技場で行われ、男子5000メートルで上原琉翔(北山高3年)が13分56秒84で走り、県高校新記録を樹立した。昨年10月に自身が打ち立てた県高新(14分18秒47)を21秒63縮めた。関口海月(北山高出)が2016年の亜細亜大在学時につくった県新(13分55秒28)に1秒56差と迫った。

体力面の弱さ、新練習で改善

 レース運びは事前にイメージした通り「100点だった」。北山高の上原琉翔はスタート後、集団の後方に位置取って体力を温存した。3000メートルに差し掛かり、先行する2人を追う第2集団の先頭に躍り出ると「第1集団を目がけていった」と勝負を仕掛けた。

 残り1周で複数人に抜かれたものの、持ち前のスピードを生かしてスパートを仕掛け集団を引っ張り「粘り切れた」とトップとの差を詰めた。「14分1桁は行くと思ったが、13分台が出るとは思わなかった」と驚きの記録だった。

 競技会は全16組で446人が出場。事前の申告タイムに合わせて遅い順に1組から編成され、上原は15組だった。実業団選手や大学生の中で唯一の高校生だったが、6位に割って入り全体でも11位と上位につけた。

 3月から力を入れた長距離走が功を奏した。「スピードは自信があるけど体力面が弱い」と、苦手意識が強かった課題に取り組んだ。1カ月で800キロ程度、1日40キロ走る日もあった。「けがなく乗り越えた成果だった」と振り返った。

 3月の九州選抜大会は3区1位で区間賞を獲得。4月は全国トップクラスの九州学院高など強豪校との合同合宿でも「1年生の時は全然歯が立たなかったけど、今回はAチームで最後まで戦った」と成長を実感した。「12月の全国(都大路)で走るには今が大事」とモチベーションはいやが上にも増している。

 次は県内大会で1500メートルの県高新を狙う。「スピード勝負になる。得意な分野なのでしっかり一発で出したい」と躍進を続けていく。