大行進、海上集会、日の丸持つ子…写真が刻む復帰の歩み 沖教組寄贈資料


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 沖教組が読谷村に寄贈した写真資料には、組合活動のほか、反戦、平和活動も記録されている。特に多いのが復帰関連だ。来年は復帰50年。移り変わる沖縄の歴史を間近で切り取った写真からは今も当時の熱気や息吹が伝わってくる。

 1963年には、復帰10周年の奄美群島を視察し、教育現場の様子などを写真に収めていた。65年4月に県祖国復帰協議会(復帰協)が初開催した「祖国復帰要求大行進」のほか、復帰前の4月28日に例年行われていた北緯27度線での「沖縄返還要求運動海上集会」や復帰集会などの写真もあった。「僕も祖国復帰頑張る」と背中に書かれた法被を着け、日の丸を持って、復帰行進を激励する子どもたちが写る写真は復帰への期待感も漂う。

 「祖国に帰る」という民族主義的な視点から始まった復帰運動は次第に米国統治への抵抗が強まる。69年11月の日米首脳会談で米軍基地を残したままの「沖縄返還」が合意されるなど、沖縄側が求めた「即時無条件全面返還」はほごにされ、不満が蓄積していった。提供写真でも、70年前後の復帰集会では「反戦復帰 日米共同声明路線粉砕」などと批判的なスローガンが目立った。

「完全復帰要求県民総決起大会」で「反戦復帰」とスローガンを掲げる人々=1970年
「僕も祖国復帰頑張る」と書かれた法被を身に着けて復帰行進を歓迎する子どもたち=撮影年不明(読谷村史編集室所蔵)