子連れでも安心!観光客向けベビーシッター、国際規格を取得 「旅の選択肢広げて」


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ティーアールピージャパンの山田達也代表(右端)、同社ワールドキッズ事業部の下村麻美さん(右から2人目)ら =26日、糸満市潮崎町のティーアールピージャパン

 観光客向けに特化したベビーシッターサービスを提供するティーアールピージャパン(糸満市、山田達也代表)のワールドキッズ事業部がこのほど、サービスの品質を保証する国際規格ISO9001を取得した。家族連れの観光客を対象に、沖縄旅行の期間中に一時的に子どもを預かるサービスを展開しており、国際規格を取得することでより安心して利用してもらえるようにする。

 2017年の事業開始以降利用者を伸ばしており、現在は月に30~40件ほど利用がある。当初は外国人観光客のみをターゲットとしていたが、国内の富裕層にも範囲を広げている。

 高級レストランやゴルフなど、子どもを連れて行きづらい場所やアクティビティでの利用を諦めずにすむため、沖縄観光の1人当たり消費額の向上にもつながる。

 基本的には、利用者が宿泊するホテルの客室で子どもを見る方法をとっている。親が常に子どもの状況をスマートフォンで確認できるよう、部屋にモニターを設置する。託児中は、シーサーの絵付けや沖縄の文化体験、子ども向け施設や海に連れて行くコースなど、子どもが楽しめるコンテンツも用意している。

 価格は子ども1人当たり1万2100円に加え、シッターの交通費が1100円。通常のベビーシッターより約3倍の価格水準だが、高級リゾートホテルの宿泊者を中心に利用がある。

 ベビーシッターの研修では、派遣されるリゾートホテルの上質な雰囲気を保てるように、言葉遣いや所作まで細かく指導する。現在、ベビーシッターは200人ほど登録があり、保育士や教師の資格を持つ人もいる。

 最近では、学会や企業の報奨旅行などのMICE(マイス)やワーケーションを目的に来県する人の利用も増えている。今後、月に数千件まで利用を増やすことを目標にしている。

 山田代表は「子どもを預けることに後ろめたさを感じずに、子どもも親も観光を楽しんでほしい。旅の過ごし方の選択肢を広げてほしい」と話した。