地域の豆腐屋が移動販売車に!高齢者の買い物支援、安否も確認 本部町


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 沖縄県本部町は22日、売店のない地域での高齢者ら買い物弱者支援として、移動販売車「ロケットーフ2号」の稼働を発表した。独自で移動販売車1台を運用している山城とうふ店(本部町)が運行する。行政と民間が一体となった移動販売車は久米島町など離島では運用されているが、本島内では初めて。買い物支援の他、高齢者の安否確認なども行う。

移動販売車「ロケットーフ2号」の出発式で販売実演を見守った平良武康本部町長(左)と山城とうふ店の山城怜司代表=22日、本部町のもとぶかりゆし市場

 伊豆味や備瀬、辺名地など売店が不足している町内の集落の他、「地産多消」を目指し、その他の北部地域も巡回する予定。

 本部町のかりゆし市場で催された出発式では販売の実演の他、車両のデザインやラッピングなどの説明があった。「豆腐を宇宙食にする」という夢があるという山城とうふ店の山城怜司代表は「ロケットーフ号を5号まで増やしたい」と地域への貢献に意欲を示した。

 平良武康町長は「沖縄は高齢化が一層進んでおり、買い物に行きたいけど行けない人がいる。地域のための移動販売車として北部地域のモデルとなれば」と述べた。もとぶかりゆし市場の花城保店長は「地域の野菜を『ミックス野菜』などにして、すぐ使用できるようにした。需要に合わせ、各集落に町産の野菜を届けたい」と話した。

 ロケットーフ2号のデザインを担当したDOKUTOKU460の城間英樹代表は「いかに目立つかを意識した。12歳の息子の絵も隠れているのでデザインを楽しんでほしい」と語った。

 移動販売車は、地方創生交付金「小さな拠点づくり推進事業」を活用し、国と県の予算で町が約660万円で購入した。運行は月~金の午前9時~午後2時。

 (松堂秀樹)