伊平屋の漁港工事巡り村長に賠償勧告 村監査委員会 住民監査請求を受け


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 【伊平屋】伊平屋村田名漁港の工事の工期遅れに伴い、村が県と国に補助金8680万円を返還したことを巡り、村監査委員会が村に対し、伊礼幸雄村長個人に返還額全てを請求するよう勧告したことが28日までに分かった。住民8人が伊礼村長に損害賠償を求める住民監査請求を起こしており、主張が認められた。

 監査結果は(1)法を順守した工事を進めておらず、村民への裏切り行為(2)概算払い請求のために担当者が村長印などの公印を押印しており、公文書偽造に該当(3)財務規則に沿って調査していない―など村の組織体制の不備を指摘した。

 8680万円の補助金を返還した村に対し「村長は行政事務執行で起きた全ての事案に対して管理責任を有している。村民の財産である基金を取り崩し返済に充て、損害を被っているにもかかわらず賠償責任を怠っていた」として村長の監督義務違反を認め、村長個人に8680万円を請求するよう勧告した。

 伊平屋村は「報告書の内容を精査した上で検討したい」とした。伊礼村長は「(監査結果を)まだ見ていない。詳細の把握に努める」と述べた。