興南、九国大付に惜敗、初回の1発響く 春季九州高校野球準決勝


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 28日行われた高校野球の春季九州大会(第148回九州大会)は、大分市の別大興産スタジアムで準決勝が行われ、今春の選抜大会に21世紀枠で出場した具志川商が福岡大大濠に8―0の七回コールドで大勝した。同じく準決勝に進んだ興南は、九州国際大付属に1―2で惜敗した。

 興南は初回、相手の主砲に2点本塁打を食らうも、四回に中軸の山川宗慶が左翼のフェンスに激突する特大の適時二塁打で1点を返す奮闘を見せた。

 決勝は30日午前10時から、同スタジアムで行われる。具志川商は初優勝、九州国際大付は6季ぶり3度目の優勝を目指す。

◆大山北痛恨 勝負球甘く/反省糧に夏向け再出発

興南―九州国際大付 6回途中までを投げ抜き、被安打3、2失点で力投の大山北斗

 甘く入った1球が、最後まで悔やまれた。興南の先発・大山北斗は先頭打者を空振り三振で打ち取る上々のすべり出しで、調子は「悪くはなかった」。2死一塁で迎えた主砲も、すぐに2ストライクに追い込んだ。しかし「あと(ストライク)一つと考えて気を抜いた」。低めのコース際を狙った直球は高めに浮き、右中間への2点本塁打となった。

 「もったいなかった。あの一球がなければ」と最後まで後悔が尽きることはなかった。ただ、夏へ向けて収穫は大きい。九州大会の初戦で12奪三振と調子を取り戻した山城京平に、ピンチの場面をぴしゃりと抑える新2年の生盛亜勇太など投手陣は九州で大きく飛躍した。我喜屋優監督は「今大会で投手陣に経験を積ませられた。課題はあるが、十分に手応えもあった」と満足げな様子で語る。

 この日、七回途中から登板の山城は無安打無失点で「変化球、直球をうまく使い分け、直球も厳しいところに決められた」と振り返る。まだまだ「四死球の多さが課題だが、学ぶことも多くて良かった」と左肩をさすった。“本命”の夏へ向け、再出発を期す。
 (上江洲真梨子)

◆捕手山川、意地の一打/3投手リード、配球に自信

興南―九州国際大付 3投手の継投を支え、適時二塁打でチームに貢献した山川宗慶

 好投する投手陣を、マスクをかぶる山川宗慶が打撃で援護した。2点を追う四回2死二塁。ど真ん中に来た直球を振り抜き、左翼フェンス直撃のライナー性の当たりを放って1点を返した。それでも打撃は「まだまだ。今大会2安打しか打てなかった」と首を振った。

 守備では異なるタイプの投手をリードする女房役として着実に成長。「九州は主砲が多い。投手個々の良い部分をいかに引き出して打者を仕留めるか常に考えていた」という。制球力の良い大山北斗に直球を軸に押す山城京平、誰よりも強気の投球が自慢の生盛亜勇太と「投手の思いに寄り添って配球を考える」。一つ自信を付け、前へと突き進む。