DI マイナス41・8 景況判断「沈滞」 県商工会連・那覇商議所


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 県商工会連合会と那覇商工会議所は28日、2021年1~3月期の中小企業景況を発表した。景気が「好転」とした企業の割合から「悪化」とした企業の割合を引いた業況判断指数(DI)は、全産業でマイナス41・8となった。前回調査(20年10~12月期)から3・5ポイント改善したが、1年前に比べて23・6ポイント悪化した。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う需要停滞が、全産業で影響している。前年同期比で業況、売上、経常利益とも大幅に縮小していることから、景況を「沈滞状態」と判断した。

 売上額DIはマイナス50・2(前年同期比28・9ポイント減)、経常利益DIはマイナス44・3(同23・6ポイント減)だった。

 調査は県内中小企業計300社に聞き取りし、286社から回答を得た。

 経営上の問題点を複数回答で聞き取ったところ、製造業、卸売業、小売業、サービス業で「需要の停滞」、建設業で「従業員の確保難」が最も多かった。

 設備投資は回答企業の22・8%に当たる66社が実施した。県商工会連合会の担当者は「コロナ対応で空調などの設備や、デリバリー用の車などが多い」と語る。

 各業界の景況は、年末年始の「Go To トラベル」停止などでサービス業が影響を受けたほか、時短営業や外出自粛などが卸売業や小売業に影響を与えた。酒造や食品加工、アパレルなど製造業では「対象になる公的給付金・助成金が少ない」との声が上がっている。建設業は民間工事の減少も続いた。

 4~6月期の見通しは、業況判断DIでマイナス20・1と改善の見込み。ただ、調査を実施した3月1日時点で大型連休の需要期待などを反映していると見られ、その後の沖縄県への「まん延防止等重点措置」適用などの動きを受け、実績値は不透明さがある。