女子は仲西、男子は浦添が頂点 県中学生春季ハンドボール


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女子決勝 仲西―浦西 後半、ディフェンスを固め、相手のシュートを阻む仲西の(右から)又吉叶と又吉虹歌=29日、八重瀬町の東風平体育館(ジャン松元撮影)

 ハンドボールの第49回県中学生春季大会最終日は29日、八重瀬町の東風平体育館で行われ、男子決勝は浦添が36―30で浦西に勝利し、9年ぶり7度目の優勝を果たした。浦添は終始、試合を優位に進めた。女子決勝は仲西が30―26で浦西を破って4年ぶり11度目の栄冠に輝いた。仲西は後半、2点差まで追い上げられたが、それ以上は詰めさせなかった。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止になり、2年ぶりの開催だった。

仲西、重層的な全員での守り

 横一線の守備網。1人が抜かれても両隣が素早いカバリングで相手の体勢を崩す。抜かれた本人もしつこくボールを追い掛け、好きにはさせない。全員が共通して意識した重層的な守りで主導権を握った仲西がリードを維持して浦西の追い上げを振り切った。

 決勝はいつもと違った。通常はスロースタート気味だが、先制から3点連取し、早々にリズムをつかむ。きっかけは又吉叶主将のプレー。最初をどう守るかと意識を集中させる。自陣から相手コートに転がったルーズボールを体を投げ出して奪い取った。そのまま得点機につなげ、以降は堅い守備から速攻に転じ続けた。前半の失点は10に抑え込み、差を広げた。

 後半は積極的な守備で2分間退場を取られたり、選手交代の間の隙を突かれたりする場面もあったが、相手の攻撃リズムを断ち切る守りは徹底できた。

 翁長鈴監督は「今大会は初戦から全員出場、全員得点という収穫もあった。守りは少しずつできてきた。あとは速攻の精度」と伸びしろに期待する。春の全国選手権で「手応えはあった」と語る又吉主将。チーム力の向上を図り「夏も全国にチャレンジして全国一を目指す」。
 (謝花史哲)

浦添、縦横無尽、力強さ増す

男子決勝 浦添―浦西 左腕で繰り出すシュートで13得点を挙げた浦添の石原直弥

 春の全国中学選手権を経験した浦添が、さらに力強さを増し、危なげない戦いぶりで優勝を決めた。積極的なパスカットや速攻、サイド攻撃などコートを縦横無尽に駆け回り、決勝でもゴールを量産した。

 ポイントゲッターの石原直弥は守備の間を抜く鋭いカットインで次々と得点を決めた。左利きでロングシュートも「得意」と言い、多彩な攻撃でチーム最多の13得点を挙げた。

 全国選手権は準々決勝で敗れ、4強入りを逃した。悔しさから、チームは競技だけでなく生活面での意識も変わったという。山城東悟主将は「目標は全国一。気を抜かず努力したい」とさらなる成長を誓う。