バレーボールの第61回全沖縄中学校選手権は29日、西原町民体育館で男女の決勝までを行い、男子決勝は東風平・南星・南風原の合同チームが美東との全セット2点差という大接戦を2―1で制して頂点に立った。女子決勝は好守で安定感を見せた与那原が南風原を2―0で下し、初優勝を飾った。
◆ダブルエース、土壇場で冷静
第3セット、スコアは25―25の同点。合同チームのエース、大松悠樹(南星)がライトで宙に舞った。ブロックは2枚。視界に入った情報を瞬時に整理する。「クロスが閉まっていて、ストレート側にはそれまで何度もレシーブされている選手がいた」。とっさの判断でブロックアウトを成功させて勝利に大きく近づく26点目を奪い、ほえた。面はゆそうに振り返る。「あんなにうまくいくとは思わなかった」
序盤からシーソーゲームが続き、緊迫感は最高潮に。ここでもう一人のエース、照屋舜主将(南星)が「まだまだっ」と仲間を鼓舞し、集中力を保つ。最後はブロックで相手を崩し、ふわりと返ってきた球を「みんながつないだボールを確実に決めたかった」という照屋が空いていた相手コート左奥に決め、熱戦に終止符を打った。
同時に3年生の大松や照屋が1年時から続いた合同チームは解散となった。各校とも新入生が入って人数が充足し、夏季大会からそれぞれ単独で出場する。
コロナ禍で合同練習がままならない中で結束し、1月の新人大会決勝で敗れた美東にリベンジを果たした3校の選手たち。大松、照屋と小学生のクラブ時代から共に戦ってきたセッターの長田悠暉(東風平)は「2人は上げたら決めてくれると信頼していた。もし大会で当たったら勝てるようにしたい」と対戦を心待ちにした。
(長嶺真輝)
◆与那原、攻撃に厚み加え
エース新城光を中心に高い攻撃力で終始優位に試合を進めた与那原。1月の新人大会で準優勝だった悔しさを晴らした。
新垣美野監督は得点源の新城と安仁屋すゞ葉主将に加え、2年生センターの板良敷花怜が成長し「攻撃に厚みが加わった」と勝因に挙げた。
連日の朝練で鍛えてきたサーブとサーブカットが安定し、攻撃にいい流れをもたらした。「『自分のところにボールが来い』と思っていた」と強気を貫いたムードメーカーのリベロ豊島りこは「スパイカーに気持ち良く打ってもらいたかった。さらにレシーブの成功率を上げていきたい」と意気込んだ。