名護の特養で食中毒 5人入院、80代男性1人死亡 サルモネラ菌 


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 県保健医療部衛生薬務課は1日、名護市の特別養護老人ホーム「かりゆしぬ村」でサルモネラ属菌による食中毒が発生し、80代の男性1人が死亡したと発表した。

 4月13日にホームで調理した給食の春雨のあえ物を食べた11人が下痢や発熱などの食中毒症状を示し、5人が入院した。県内での食中毒による死亡は2011年以来。北部保健所はホームの調理施設を5月1~2日の2日間の営業停止とした。

 サルモネラ属菌は自然界に広く分布し、加熱が不十分な鶏、豚、牛などの食肉や鶏卵が原因となることが多い。食肉や卵を扱った手指や調理器具を介して他の食品が汚染されることもある。

 春雨のあえ物は4月13日の昼食に提供された。これを食べた179人のうち、90代5人、80代4人を含む11人が14~23日の間に食中毒症状を示した。うち9人からサルモネラ属菌が検出された。入院した5人のうち1人が死亡し、4人は既に退院した。

 調理従事者は定期的に検便をしており、4月中旬の検査では全員が陰性だったという。食中毒発生後の検査では14人中3人からサルモネラ属菌が検出された。

 県は食肉や卵を扱った手指や調理器具はその都度、洗浄や消毒をし、生肉用の調理器具は使い分けるよう呼び掛けた。