上原が1500メートルで県新記録 陸上・海邦国体記念記録会


社会
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 陸上の第33回海邦国体記念記録会兼国体県予選会は1日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われ、男子一般・高校1500メートルに出場した上原琉翔(北山高3年)が3分54秒48の県高校新記録を樹立した。上原は4月25日の日体大競技会でも5000メートルで県高新を記録しており、1週間で2種目の記録を更新した。女子B(中学3年・高校1年)走り幅跳びでは、喜久里彩吹(東風平中3年)が追い風参考記録ながら1986年に西銘たけみ(豊見城)が残した県中学記録の5メートル63を跳んだ。喜久里は同区分の100メートル障害でも好タイムを出した。


体力強化が奏功 結果につながった終盤の加速
 

男子一般・高校1500メートル 残り500メートルを切って前方の2人を抜き去る上原琉翔(中央)=1日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(長嶺真輝撮影)

 号砲と同時に、実業団と大学の選手が飛び出した。上原琉翔(北山)は初めの400メートルを62~63秒で入ると想定していたが、トップは約60秒。「ペースが速くて少し焦った」というが、無理に付いていかない。「イーブンペースで行くつもりだった」と3番手をキープした。

 残り500メートルを切り、仕掛ける。持ち味の大きなストライドとバネを生かして直線で2人を抜き去り、一気に差を広げていく。

 年明けから注力してきた長距離走の効果で「体力が付いた分、スピードが落ちなくなった」と最終盤でさらに加速。「最後の全力疾走が結果につながった」と、県高校記録を0秒14縮めた。

 ただゴール横の掲示板でタイムを確認した瞬間の心情は「もうちょっといけたかな」。課題に挙げたのはスタート直後。「油断してしまい、先を行かれたのは反省。最初から先頭でいかないと」とレースを引っ張ることでさらなるタイムの短縮を見込む。

 1週間前の日体大競技会では5000メートルで県勢高校生初の13分台を記録し、全国ランキングでも上位に付けて「心にゆとりができた」という。

 1週間後の沖縄選手権では1500メートルで「3分50秒前後を狙いたい」と新記録ラッシュを続けるつもりだ。

 (長嶺真輝)


喜久里、走り幅跳びで県中学記録タイ、100メートル障害トップ

女子B100メートル障害 華麗なフォームでハードルを越える喜久里彩吹=1日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム

 100メートル障害で出場選手中トップの14秒22を記録した喜久里彩吹(東風平中)が跳躍でも会場中の視線を一気に集めた。

 女子走り幅跳び最終試技の6回目で跳んだ記録は5メートル63。追い風2・4メートルの参考記録ながら35年間破られていない県中学記録に並び、関係者がどよめいた。 踏み切り位置が手前で「あまり良くなかった」と言う。ファウルだった3回目を振り返って「踏み切りがめっちゃ良くて、5メートル70はいっていた」と笑顔。好調ぶりがにこにこした表情に表れていた。

 冬季から先輩のつながりをたどり、友睦物流など実業団選手に混じって練習することで、走りの成長を実感しているという。ハイレベルな環境に身を置き「前は陸上がきつかったけど、今はすごい楽しい」とうれしそうに話した。