島の成り立ち触れて学ぶ 与那国ジオツアーに40人 名勝など巡り解説


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
尾方隆幸さんの説明に耳を傾けながら、生痕化石を探したり、地層について理解を深める参加者ら=4月18日、与那国町のティンダバナ

 【与那国】与那国町で「与那国ジオツアー」(主催・与那国町教育委員会)が4月18日、催された。毎年、恒例行事になりつつある、与那国の生き物や植物などを観察しながら島を巡る春のバスツアー。新型コロナウイルス感染拡大防止でバスの乗車人数を15人に制限したが、応募者が殺到したため、自家用車で移動することを条件に約40人が参加した。

 講師は、琉球大学准教授の尾方隆幸さん。今回は、久部良フリシ、ティンダバナ、サンニヌ台を巡って、与那国島の成り立ちを探りつつ、尾方さんから学んだ。

 2014年、国の名勝に指定されたティンダバナでは、水が湧いている地点を観察。琉球石灰岩と八重山層群の境目であり、水が湧く仕組みや、泥岩と砂岩の違い、粒の大きさなどを実際に触って比べ、参加者らが立っている地面の地層の成り立ちなども学んだ。

 13年に国の名勝に指定された「久部良バリおよび久部良フリシ」では、生痕化石を見つけたり、塩と風で風化し虫食い状になっている「ハチの巣状風化(タフォニ)」の成り立ちの説明を聞いた。

 サンニヌ台では、風化により地層の変化が進んでいる様子について解説を受けた。

 参加した町民にとって普段見慣れた島の名勝、地層の数々も、講師の専門的な解説を聞いて、改めて島の成り立ちや自然を見直す好機となったようだ。
  (山本友紀通信員)