【宜野湾】米軍普天間飛行場で、有害性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を含む、泡消火剤が流出した事故から1年がたった4月10日、琉球新報は宜野湾市周辺の河川などの水を採取し、京都大学の原田浩二准教授(環境衛生学)に分析を依頼した。3日までにまとめた結果によると、事故直後に高濃度だったPFOSとPFOAの合計値は事故半年後の調査と同様、国の暫定指針値以下になっている。暫定指針値を下回りながらもPFASの検出が続いていることに、原田准教授は事故以前からの土壌汚染を懸念した。
PFOSとPFOAの合計値は、泡が大量に滞留した宇地泊川で1リットル当たり5.1ナノグラムとなった。事故発生直後は同247.2ナノグラムだったが、半年後は同5.4ナノグラムになっていた。国の暫定指針値は同50ナノグラムとなっている。
基地排水が暗渠(あんきょ)の排水溝を通って川に合流する地点は、半年前と同じ同5.2ナノグラムだった。下流の牧港漁港はPFOSのみで同10.0ナノグラムで、半年前から3倍以上増えた。PFOAは検出限界値の同0.2ナノグラムとなった。川の上流は半年前より低い同2.8ナノグラムとなっている。
有害性が不明な「6:2FTS」など他のPFAS検出も各地で続いている。原田准教授は、PFAS検出が続いていることに「過去の汚染でこの値のレベルが続いているのだろう」と述べ、県など関係機関による実態調査の必要性を指摘した。
(金良孝矢)