我慢続きにうんざり…「まん延防止」延長に沖縄県民は 収束見えず緊張に緩みも


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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い那覇市など15市町に適用されるまん延防止等重点措置が、31日まで延長される。決定が伝えられた7日、対象地域の住民は感染防止のために延長を受け入れながらも、長引く自粛生活に疲労の色も濃い。収束への道筋が見えない中、緊張感の緩みも漂う。

 那覇市の祖慶真行さん(66)は「我慢が続いてストレスがたまる」とうんざりした様子。感染が広がる中、先祖の墓に集まる清明祭(シーミー)も例年通りにできなかった。「東京五輪や辺野古の新基地建設に使っているお金をコロナ対策に充てるべきだ」と強調した。

 友人と夕食に出掛けるため、パレットくもじ前でタクシーを待っていた70代女性=那覇市=は「自由に外出できないので、自粛が続くのはつらい。シャッターを下ろしたままの店が増え、寂しく感じる」と話した。

 感染対策に注意を払う県自立生活センター・イルカの山家鯨さん(29)=沖縄市=は、感染者数が多い現状に危機感を募らせる。「飲食店の経営も厳しいと思うが、重点措置の効果がいまいち見えにくい。緊急事態宣言で人の動きを制限するなど、徹底して感染を抑えることが必要ではないか」と訴えた。

 重点措置対象外の住民も神経をとがらせた。国頭村辺野喜の山城榮区長(73)は、たびたびツーリング客などを見かけ不安に感じる。「以前に比べ、緊張感がなくなってきている。やんばるは医療体制がぜい弱だ。移動制限は難しいかもしれないが、県はもっと徹底した感染防止策を打ち出してほしい」と求めた。