プロバスケットボールBリーグ1部西地区の琉球ゴールデンキングスは8日、沖縄市の沖縄アリーナで京都ハンナリーズ(西地区8位)と今季第55戦を行い、78―73で勝利した。連敗を2で止め、通算成績は40勝15敗。沖縄アリーナで行うホーム戦としては、4試合目にして初白星を挙げた。次戦は9日午後1時5分から、同アリーナで京都とレギュラーシーズンの最終戦を行う。
新型コロナウイルス禍による日程変更で試合スケジュールが過密になり、5月に入って既に4試合目。チャンピオンシップ(CS)開幕も15日に迫る。藤田弘輝HCが「コンディションを気を付けないといけない中で激しくプレーして勝ちに行くのは矛盾していて、難しい状況」と言う通り、モチベーションの維持に苦慮するキングスは序盤から攻守でミスが目立った。
そんな状況を打破したのは石崎巧だ。第3Qで得意のピック&ロールを使った独特なリズムのドライブでシュートを沈め、ドウェイン・エバンスのアリウープダンクも演出。普段から、ベンチにいる間に「相手守備の構造的欠陥を見ている」と常に準備を怠らないベテランが流れを変えた。
その後、チーム全体のファウルがかさんで逆転を許したが、今度は牧隼利が体を張って仲間を鼓舞する。第4Q残り約3分、3点リードの大事な場面で相手の3点弾をブロックし、外国籍選手にも体をぶつけて粘り強い守備を見せた。「士気を高めようしている」とルーズボールにも飛び込み、会場を沸かせた。
その後にパスミスを犯し、さらに五つ目のファウルで退場となったが「勝負どころで力を発揮できる自信がある」という牧は真摯(しんし)に課題を見詰め、CSに備える。
(長嶺真輝)
(沖縄アリーナ、3552人)
キングス 40勝15敗
78―73(16―16,24―20,14―20,24―17)
京 都 20勝36敗
【評】前半でターンオーバーを八つ犯すなど、なかなか波に乗れないキングス。後半に入ってもリードした場面でファウルがかさみ、差を広げられない。それでも第4クオーター(Q)に持ち味の強度の高い守備から流れをつくり、接戦を勝ちきった。
◆よくファイトした
藤田弘輝HC(キングス)の話 沖縄アリーナで1勝目を挙げられてよかった。選手たちはモチベーションを上げるのがすごい難しい状況でよくファイトしてくれた。けががないように、あと1試合、やるべきことに集中して臨みたい。
◆持てる力は出せた
小川伸也HC(京都)の話 ルーズボールとリバウンドで常に主導権を握られた。ただ守備のローテーションで良かった部分も多くあった。コロナ禍でコンディションが上がらず、難しい状況だったが、持てる力は出せたと思う。